よく寝てよく寝る

寿司と猫と布団が好きです

2022年のふりかえり

今年は今までの人生の中でもかなり激しかった1年だった。
たくさん考えたこともあったので、ちゃんとふりかえりをしておきます。

休職した

2022年はこれから始まった。休みに入ったのがちょうど1年前の年末直前だった気がする。

チームにエンジニアが自分ひとり(業務委託は除く)で、ひとりで任された新機能の開発で、必要なバッチ処理タイムアウトしまくって一発で成功しなくて祈りを込めることしかできず、でもクリスマス前で早くリリースしないといけなくて、売上数値が…とデイリーの定例ミーティングで話すのを何度も聞いていた。12月の初旬。

自分がスーパーつよつよエンジニアだったらこんなのすぐにリリースできていたのに。とか、信頼してわたしひとりに任せてもらったものなのにこんなギリギリになって、期待を裏切るようなことになって申し訳ないな。とか、こいつ使えないなと思われてるんだろうか。とか思うようになって、誰も私のせいだなんて言っていないのに、いつの間にか私がいけないんだと考えるようになった。疲れてるとすぐそういう思考になる。
でも、当時は休んでる場合じゃなくて、ただとにかく焦ってた。焦っても祈るしかないので別に忙殺されたりしてたわけじゃなかったけど。

朝起きる時間がどんどん遅くなっていった。仕事しているとすぐ頭が痛くなるようになった。issueの文章を読んでも目が滑って、同じ行を何度も読むようになった。定例ミーティングで、リーダーが喋っていても、なにを言ってるのかわからなくなってきた。
いつもやってるスクラムイベントの準備を忘れてしまって(一度も忘れたことなんてなかったのに)、定例で謝罪した。すみません、と声に出した瞬間に涙がぽろぽろ出てきた。今まで当たり前にやっていた簡単な仕事ができなくなっている自分にショックを受けて、この新機能がリリースできたら有休全部使ってでも長めに休もう、と決めた。

それから数日経った日、休みに入る1週間前、朝パソコンの前に座って画面を見た瞬間に思考が停止してしまった。それでもあと少しだからなんとか進めていたら、急に気持ち悪くなってゴミ箱に吐いた。もうダメだと思って、その日の昼休み明けてすぐ、上司に「明日から年始まで2週間休ませてください」と伝えた。
あの時の、2日風呂に入らず髪もちゃんとしないまま、当然化粧もしてない姿を見せながら、すみませんすみません…と言って号泣する姿を晒したのは、画面越しとはいえ人生で一番の恥晒しだったと思うし、今書いてて穴があったら入りたい気持ちになってる。

もう今すぐあがっていいよと言ってもらって、最低限のことだけやって退勤して、年末に開いている病院に片っ端から電話をして*1、診断書をもらって年始から休職になった。

これはもう何度も言わせてもらいたいのですが、年末の忙しいときに、やりかけの大事な仕事を突然放棄して休んでしまって周りの方にたくさんご迷惑をおかけしたこと、本当に申し訳なく思っています。
でもそれ以上に、そんな私のことを誰も責めたりせず、恨み言を言うこともなく、私がやっていた仕事を引き継いで、優しい言葉をかけてくださったことが本当に嬉しかったです。大変感謝しています。ありがとうございました。おかげさまでゆっくり休めました。
また当時一人暮らしで、頼れる人もいない中でまともな生活ができなくなっていたわけですが、それを心配した上司がこまめに連絡を取って生存確認をしてくれたのが特にありがたかったです。心配して友達が電話して話し相手になってくれたことも良かったです。仕事がなくなって常に自分ひとりの時間になったけど孤独感でつらくならずに済みました。ありがとうございました。
自分ができているあらゆることが、人に支えられているからできていることなのだと気づきました。復職してからは周りのすべての人がやっているあらゆる行動への感謝が止まらなくて、よく notion の日報でポエムを書いていました。この文章のようなものです。

今冷静に考えても、休職したのは逃げだったと思う。でも、逃げてよかったと思う。普通の人からしたら「いやそんなことで耐えられなくなるんw」って思うかもしれないけど、私にとってはそうだったのだから仕方ない。
昔から常に精神が健康じゃないタイプだったけど、今回ガッツリ倒れたことで少し生きるのが上手になったような感じもする。ストレスとか、困難に対する対処の仕方が上手くなったのだと思う。休職前と似たような体調の変化が出たときに、「あ、これは休んだほうがいいやつだ」とわかるようになった。

復職するときに自分の人生とキャリアについてたくさん考える機会になったので、これは次に書きます。

わかったことは、人間には日光*2と適度な運動と睡眠と心の余裕が大事だということ。当たり前だね。あと生きてるだけでえらいということ。

キャリアについて考えた

春頃に復職するとき、会社は本人の仕事が合わない場合に配置換えをしてくれるなど本人の希望に沿った支援をしてくれるが、私の場合は人間関係が悪いわけでもなく、仕事内容もガラッと変えるとそれはそれで負担がでかいので一旦同じポジションで復職した。

「どうしますか?」と聞かれたとき、「どうしよう?」しか出てこなかった。さすがにそれだとまずいので、初めて自分のキャリアについて真面目に考えた。

新卒で入社してから丸4年。最初はみんなが当たり前にできるルーティンワークを自分も当たり前にできるようになることで必死で、キャリアがどうとか考えている余裕はなくなった。2年くらい経って後輩や新入社員のサポートもするようになってからも、正直自分はまだできることが少なすぎるので、同じ環境で同じ仕事を積み重ねていくしかないよなあ、とか思っていたし、 1on1 でキャリアについての話になっても「まだまだなのでやるしかないですね〜」みたいなことを言っていて、つまりなにも考えていなかった。

復職するときに、ジョブチェンジという選択肢が出てきた。休職する前にジョブチェンジはうっすら考えたことがありつつもあんまり本気で考えたことがなかったので、ジョブチェンジできるチャンスが突然生まれて*3、真面目に考えた。

私はエンジニアのお仕事やプログラミングが好きではあるけど、得意ではないので、常に「うまくできない」というもどかしさと劣等感と戦っている。頭の回転は良くないし、理解までのスピードも早くないし、繰り下がりの引き算をよく間違えるような私がこの仕事を続けられているのは奇跡だと思う。新しいことを学べる楽しさと、プログラムを書いて動いた時の達成感だけでここまで来た。得意じゃないことよりも得意なことを仕事にしたほうが楽しく働けるんじゃないかと思って、とりあえずエンジニアとして復職して一旦以前の状態に戻しつつジョブチェンジという道を探った。

この話を上司の @june29 さんに相談したところ、私が思っていることをとてもわかりやすく整理してくださって、かなり視界が開けたような感じがした。

「どういうスキルを使って問題解決するのか」と「誰に対して問題解決をするのか」という2つの軸があって、私の場合は「エンジニアリングスキルを使って問題解決する」のと「身近な人の問題解決をして喜んでもらう」のが好きで、これができるとモチベーションが上がって楽しく仕事ができるんだね、と june29さんが整理してくださって、なるほど確かに!と思った。つまり、身近な人の問題をエンジニアリングで解決するような仕事なら全部ハマるということで、具体的な例を挙げるとするならば情シスとか、カスタマーエンジニアとか、たくさんあった。
とにかく私はいままでなんとなく感覚では「こういうのが好き」とわかってはいたけど、それを構造化・言語化するというのができていなかったので、こうやって整理してもらったことで、キャリアにおいて選択決断するときの基準ができて、難しかったことが一気にわかりやすくなったような気がした。

それから当時異動できそうな職種の方に話を聞いてまわった。ディレクターの方とか、プロダクトオーナーの方とかに自分のやりたいことの話をしつつ、実際どういう仕事をしていてどういう人が向いていそうかみたいな話を聞いた。他部署のエンジニア出身の部長さんにもお時間をいただいて、エンジニアとしての視点だったり人生の先輩としての視点でアドバイスをいただいたりした。

そうやっていろんな方のいろんな話を聞いて、私は一緒に働くチームや会社の人々のお困りを助けるようなことをしたいのだということがわかった。といってもピープルマネジメントのような個人の悩み解決やチャレンジを支援するのではなくて、人の集まりであるチームをうまく機能するような仕組みづくりをして、結果その中にいる人たちが嬉しくなれるようなこと。あとは、0→1をやるのではなくて、1を100に成長させるとか、1000とかに散らかったものを100くらいに整理するとか、そういうことのほうが得意だということもわかった。

今までなにも考えずに目の前の仕事をひたすらやっていた私からすると、こんなに自分のやりたいことがはっきりしたのは初めてですごいことだった。こういう言い方はあれだけど、人生変わったみたいな、それくらい大きな変化だった。
june29さんをはじめ、当時貴重なお時間を割いて私のまとまらない話を聞いたりアドバイスをくださったみなさん、ありがとうございました。自分だけでモヤモヤ考えないで、もっと早くみなさんに声をかけて、みなさんの最高な話を聞いておけばよかったと思いました。
1on1 で「まだまだなのでやるしかないですね〜」と言うことはなくなりました。

自分のやりたいこと、好きなことがわかった結果働く会社を変えることになったのですが、それは次に書きます。

転職した

社内でジョブチェンジを考えていろいろやっていたけど、他の場所でやったほうがよさそうに思ったり諸々の理由が積み重なって、10月に転職した。人生で初めての転職で、今まで人が辞めるたびに寂しさで泣いていた*4私に想像できないような決断だった。また、コロナも完全におさまっていないような中でリモートで面接して、チームメンバーもあまり出社しない中で入社することにも不安があった。

組織構造、使うシステム、社内ルール、開発からリリースまでの流れ…あらゆることが前職との比較で、前職が当たり前というかその世界しか知らないので、違う国に来たかのような気持ちで過ごしている。比較するといっても、比べてネガティブな気持ちになるのではなくて、「こういうやり方もあるんだな」という、ただ事実として捉えるだけ。違いを見比べてもっとこうしたほうが良くなるなと考えたりもする。
ただ、入社後に前職を外から見ることになるので、前職で当たり前だったこと*5が実はすごいことなんだなと思ったり、「失って初めて気がつく良さ」という、分かれた恋人を思うみたいな気持ちになることもある。(何度も言うけど、ネガティブな気持ちになるわけではありません。でも、前職の人たちとオフィスで会って雑談できないのはたまに寂しい気持ちになっちゃうけどね。)

前職と同じ web エンジニアとして転職したけど、一番大きな違いは外国出身の方がたくさんいることで、英語が苦手な私としてはここが今のところ一番たいへん。基本は日本語だけど英語でコミュニケーションをとることもあるから最近ちゃんと英語を勉強している。あとは日本語でも雑なことをしゃべると伝わらないので、正しくてわかりやすい日本語をしゃべるように意識したりとか。

リモートで入社したことで困ったことはあまりなくて、サポートメンターの方がこまめに声をかけてくださったり、他にも同じチームで同日に入社した方がいたから孤独に感じることはあまりなかった。でもコロナ前に新卒で入社したときと比べるとやっぱり入社するときは入社する人も周りも物理で同じ空間に存在できる方が私は好きだなと思った。
リモートだと新しく入社した人って覚えてもらいづらいなと思ったから、社内のイベントに片っ端から参加したり、部署の交流会の企画委員になってマリオカートを企画したり、zoom の背景を記憶に残るようなファンシーなおしゅしにしたり、週に1回以上はオフィスに行ったり、とにかくみんなの目に入るような動きをたくさんやるようにしている。まだ入社して2ヶ月だけど、寿司の人とか、スピナーの人*6とか言われていて、ちょっとずつ覚えてもらってるのではないかと思う、たぶん。

チームも部署も素敵な環境で、楽しく仕事させてもらっているので、これから自分ができることを自分のペースで頑張ろうとおもいました。

さいごに

またクソ長ポエムみたいになっちゃったな。書くのに2時間くらいかかった気がする。
でも改めて、今年はいろんなことがあったし少し大人になれた、きっと。もう20代も後半なんだけど。

最近は誰と会っても酒を飲めば人生の話をする。みんなの人生の話を聞いてると、これでもまだ自分はなにも考えてないなあ…って思ったりもする。だけど今は困っていてなんとかしたいような問題もないし、やりたいことはやれているし、元気なので朝起きて仕事をするのがつらくないし、これでいいのです。2022年のわたし、頑張ったし、えらかったな〜〜〜!

来年の目標はお正月のうちに考える。

*1:心療内科って最近はどこも予約が3ヶ月先とかなんだって恐ろしいね

*2:少し前に引っ越して、職場からの距離を重視して他を妥協したところ北向きの家になったのですが、日照時間の少ない冬は特に心の調子を崩しやすくなるので良くないということがわかりました。

*3:こう書いていますが、チャンスは常にあったと思います。やりたい気持ちを1on1で上司にきちんと説明すれば聞いてもらえるからです。ここでは、私が今までなにも考えず受け身で仕事をしていて、その状態で突然「できますよ」と言われたからチャンスが突然生まれたように感じただけです。

*4:最終出社日に社内を歩き回ってご挨拶させていただいたのですが、ほぼ常に泣いていました。寂しさもあるけど、たくさんよくしてもらって嬉しかったしありがたかったな、という気持ちで泣いていました。お世話になったみなさん、ありがとうございました

*5:エンジニア以外の職種の人も当たり前にGitHubを使って仕事をすることとか

*6:入社前に参加させてもらった社員旅行で、夜にスプラトゥーン部屋に遊びにいって、スピナー武器でとんでもないキル数を叩き出したからです。たまたま調子が良かっただけです。