よく寝てよく寝る

寿司と猫と布団が好きです

エンジニアをやめました

Xの名前やプロフィールを変えたので気づいた方もいるかもしれませんが、 1ヶ月前くらいにエンジニアからジョブチェンジし、技術広報のお仕事をしています。 転職はしてません。

転職してから何してたの

技術広報を始めるきっかけがあるまで、何やってたかを書いてます。
たいした伏線にはならないので興味のない方は読み飛ばしていただいて構いません。

ペパボからグロービスにバックエンドエンジニアとして入社するとまず、グロービス学び放題というビジネススキルを動画で学習できるサブスクサービスの事業部で、新規ユーザーを獲得するための開発施策を実施するチーム(当時)に配属されました。
このチームの守備範囲はサービスのLPにあるメールアドレス登録フォームからサブスクのプランを選択して決済操作を完了させるまでです。

チームメンバー全員が優しく、そして実力のある方でしたし、決済機能を扱うこともあって複雑な処理を実装することもよくありました。
このチームにいるときはチームメンバーや既存の実装から多くのことを学ばせていただきました。ペパボ時代ではうまくできていなかったTDDも今や苦手意識なく取り組めますし、DDDの思想を深く学び実装で実践することができたのもこのチームにいた時です。ペアプロ・モブプロではRailsの仕様の小ネタをたくさん教えていただきました。
特にテックリードがすごい方で、私と同じ歳なのに作業も速ければその内容も正確で無駄がないという、技術力の高い方でした。いつかこの人に追いつきたい、と思える方がまたひとり増えました。

そんな感じで楽しく充実した日々を過ごせていたのですが、ちょっと問題が起きます。

スピード感のあったスクラムについていけなくなり(これは私の実力のなさもある)、仕事も休みがちになりました。
チームのEMにはモヤモヤしはじめたときからずっと相談に乗ってもらっていて、接し方についてアドバイスいただいたり相手の方にも働きかけたりしてくださったりと、私が働きやすくなるためにたくさんのことをしてくださいました。もはやあれはカウンセリングと言っても過言ではないくらい。とても感謝しています。
でも私の考えすぎ&ネガティブ思考は凄まじく、そして私の季節性の鬱病も重なって休職一歩手前というところまで来てしまい、思い切って残りの有給休暇のほとんどを使って2週間ほどのお休みをいただきました。プチ休職です。またかよ。

2週間後改めてEMと面談し、体調が整うまでしばらくは仕事のペースを落として自分でコントロールできるチームにいた方がいいねという話になりました。
そこで私の「社内の人(エンジニアやCSなど)を支えられるような仕事がしたい」という要望を汲んでくださり、開発者体験を向上させるためのチームに異動となりました。元いたチームの方々にはとても申し訳ない気持ちになりつつ異動しました。

このチームでは私以外の全員が業務委託のため勤務も不規則で、タスクはカンバンから個人に割り当てられるためスクラムを採用していませんでした。そのため自分のペースで仕事を進めることができたのです。
そのチームで、私はGFIのような小さなタスクからリハビリをさせてもらいました。
全員がタスクに対してワンマンプレーでチームとしてのまとまりは以前より少なかったですが、わからないところはSlackで質問すればすぐに解決できました。
定例もなくzoomで会うこともほぼないのですが、「雨がすごい」とか「お昼に寿司食べた」とかくだらないことを書けばすぐに絵文字もつけてくれるような、あたたかいチームです。

そこでも結局3ヶ月ほど休職することにはなるんですが、原因が仕事と全く関係ないので割愛します。

なんでエンジニアやめたの

ここから本題です。

私は入社してからしばらくして、社内でLT会を主催するようになりました。グロービスには勉強会や読書会などインプットの場は多くありましたが、アウトプットの場がほとんどなかったからです。(コロナ前はあったそうですが、リモート勤務になってその文化がなくなってしまったようです)
ペパボ時代にアウトプットの大切さを教えてもらった身としてはやらねばという気持ちになり、月に一度のペースではじめました。

アウトプットの場が全くなかったわけではありません。
社外向けのアウトプットの場として、テックブログとPodcastがありました。おもしろいコンテンツがたくさんなので覗いてみてください。

テックブログとPodcastの運用者はそれぞれ元々エンジニアで、本来の業務と並行して運用されていました。
これらのアウトプットの場を、社内の人(特にエンジニア)にもっと活用してもらいたい。そう思って、自分で記事を書いたりエピソードにスピーカーとして出たりするところから始めました。
そして、テックブログとPodcastの運用者を支えたい、サポートしたいという気持ちにもなっていました。さっきの「社内の人(エンジニアやCSなど)を支えられるような仕事がしたい」と同じ思想です。
でかい声出して周りを巻き込むのはすこしだけ得意なので、この得意を活かしてテックブログとPodcastを盛り上げられないかと思ったのです。

そこから少しずつ、テックブログもPodcastも私がメインで運用するようになりました。
というのも、グロービスには20%ルールというものがあり、業務時間の20%をメイン業務以外のチームの仕事に充ててもよい、というルールがあるからです。
上司に相談の上このルールを活用させてもらうことになりました。80%は開発者体験を向上させるチームとして、残りの20%チームは技術広報チームとして働くことになりました。

ところでグロービスの技術広報チームは兼業の方が多く、メインで活躍されているのは業務委託の方1名のみでした。その方も週2日ほどの稼働で、エンジニア出身でもないためエンジニアとの繋がりはあまり濃くなさそうでした。

これはチャンスかなと思いました。
技術広報のお仕事を20%やるうえでテックブログやPodcastの運用以外にもイベント運営やSNS運用なども参加させてもらっていて、私のちょっとだけ得意な「他人を巻き込む」が活かせていて楽しくやらせてもらっていました。

ここに元々持っている「エンジニアリング」のスキルが掛け合わさったら強いんじゃないかな、と思ったのです。

ペパボ時代、当時の私の上長だった@june29さん(いまは@junebokuさん)から「キャリアを2つの軸で考える」という考え方を教わりました。
「やりたいこと」と「できること」の2軸です。 私にとってやりたいことは、社内の人を支えたり人と人とを繋ぐこと。できることは、エンジニアリングと周りを巻き込むことです。
やりたいことを叶えつつできることを活かせるポジションなんじゃないか、と思い、技術広報へのジョブチェンジが視野に入ってきました。

また私はコードを書くのがあまり得意ではなかった、というのもあります。 開発すること、コードを書くことは元々大好きでした(今も好きです)。学生の頃は寝る間も惜しんでコードを書いていたくらいです。
でも得意ではありませんでした。何が下手なのかよくわからないけど、先述したテックリードの方や新卒のときお世話になった師匠や先輩など目指したい人たち、その方々と同じ土俵に立てる気がしなかったのです。何年かけたとしても。

別に勝負する必要はないと思います。でも劣等感っていうのかな、コンプレックス?あとは思うように成長できていない焦燥感、そんなものたちとすでに5年ほど付き合っていました。

自分が得意な分野を伸ばした方がいいんじゃないかと思いはじめて、20%ルールでやっていた技術広報のお仕事を試験的に50%ほどに変更してもらいました。
この柔軟さには驚きましたし、グロービスすごくいい会社だなと思いました。こんな私に技術広報としての活躍を期待をしてくれている(はず)というのもわかって嬉しかったです。

技術広報の仕事の割合が増えてからはめちゃくちゃ楽しかったです。イベント運営も学生の頃からやっていて好きだったし、とにかく楽しい!と思えて、エンジニアタスクと50%ずつの配分なのにそれが偏っていったほどです。

2023年のアドベントカレンダーでは執筆者がたくさん集まって、初のシーズン2を作成しました。このタイミングでジョブチェンジを本格的に考え始めました。
でも決断まで半年以上かかったのは、その間休職していたり、コードを書くことから離れることへの不安が大きかったからです。
得意ではないけど好きなことだから、開発チームから離れてしまったら後悔するんじゃないかと思いました。専門職ではなくなることでお給料が下がってしまうのではないか、とかも。

また、ここまで私をエンジニアとして育ててくれたペパボやグロービスはじめ多くの方々に申し訳ないという気持ちもありました。貴重な時間と手間をかけてサポートしてくださったのをなんだか諦めるみたいで申し訳ないなって思いました。

ここからはもういろんな方に相談しました。相談に乗ってくださった方は本当にありがとうございます。
相談といただくアドバイスをとおして、エンジニア出身の技術広報はたくさんいること、エンジニア出身であることがとても強みであること、私の経験年数であれば戻ろうと思えば戻って来れること、を教えてもらいました。
これらのアドバイスに背中を押されたのと、20代のうちはいろんなチャレンジをしようと決めていたこともあり、上長に技術広報チームに異動したい相談をしました。これが2ヶ月ほど前の話です。

そこからエンジニアのお仕事を少しずつ整理して正式に異動し、今になります。

感謝したいこと

まずエンジニアとして採用されながら技術広報になりたいなどと言う私にチャレンジする環境を用意してくれたグロービスに感謝しています。グロービスでは自己実現を大切にしていて、やりたいことは基本的にどんどんチャレンジさせてくれます。
あとは、私をエンジニアとして育ててくれたペパボとminneのwebチーム、OJTの師匠であるごっちゃんさんにもとっても感謝しています。ペパボ時代に教わったことは今でも活きているところがたくさんあります。あの時期がなければ今の自分はなかったと言っても過言ではありません。

それから相談に乗ってくださった皆さんもありがとうございました。参考になったアドバイスがたくさんありましたし、何より「つみちゃんなら大丈夫、できるよ」と背中を押してくださったことがとてもとても嬉しかったですし、パワーをもらえました。

書きながら半泣きになってるんですけど、ほんとに、いろんな人に支えられているんだなあって思いました。

これからについて

業務では技術広報・DevRelとして取り組みつつ、技術コミュニティは大好きなので引き続き遊びに行きたいです。
あとは個人開発や技術書も読んだりしてキャッチアップは続けていきたいと思います。
必要であれば業務でコード書くこともあるかもしれません。SNSの集計とか自動化したい。

技術広報にジョブチェンしてから、新しいチャレンジばかりで楽しいです。
先輩技術広報のみなさん、ぜひいろいろ教えてください。
技術コミュニティで出会ったみなさん、引き続き仲良くしてください。
よろしくお願いします。

とりあえず、酒飲みに行きませんか!!!!!!!